密葬とは、日を改めて「本葬」や「社葬」を行う場合に進められる葬儀のことで、本来はご家族やご親戚を中心に行われるものでした。しかし、今日では、事前に訃報が知れ渡り、この密葬が通常の葬儀と同じように行われてしまうことから、参列者に「葬儀を2回もするの?」という戸惑いが発生します。
そんな中、「家族葬」という言葉が登場し、密葬の意味と混同され、話はますますややこしくなっています。
ホテルを会場とする社葬の大半が「お別れ会」「偲ぶ会」という無宗教形式になっており、その背景には上記のように「すでにお葬式は行われたから」という意識があるようですが、一輪の花を供えて、お食事をするだけの形式に抵抗感が生まれるのは当然で、これでは社葬そのものの意義を疑問視されるのも当然と言えるでしょう。
合理性が追求される21世紀型の葬儀にあって、義理的参列者の割愛という考えから、家族葬や個人葬においても、本当に参列いただきたい方だけの「招待形式」が主流となりつつある今、「お別れ会」「偲ぶ会」においても、従来型のともすれば参列者の数を競うがごとく行われる式から、特に故人と深く交流のあった方々だけで心を込めてお送りすることのできる招待形式へと進んで行くと予想されます。
弊社では、これらの社会動向にいち早く着目し、「お別れ会」「偲ぶ会」における新しいカタチを構築し、また、これを具現化するための専用ホールを備えています。
「お別れ会・偲ぶ会を行いたいけど、ホテルに集まって食事をするだけでは意味がない」…そんな皆様のお声から誕生した形式。それが「慈曲葬・・シーン形式」です。
◆お食事中心型…ホテルで行われる大半がこの形式で、入り口で受け取った一輪の花を祭壇前の献花台にお供えし、着席。その後、食事が始まります。
→施主の謝辞、出席者の追悼の言葉が組み込まれていることもありますが、出席者に「およばれ」の心情が生まれ、抵抗感が強く生まれます。
◆二部制型…第一部を「式」として、第二部を「食事」とする形式。
→第一部では「オリジナル奉儀」から始まり、厳粛な「偲ぶひととき」など、人生表現を中心とした追悼式的な時間をお過ごしいただき、第二部のお食事へ。
◆悼式型…開式から厳粛な式次第が進めれ、施主側の謝辞を以て閉式。
→お食事はなく、返礼品だけお持ち帰りいただく無宗教形式の告別式です。
※食事を伴う形式では発起人組織が結成され、会費形式で行われることも少なくありません。
※招待形式ということであれば、生前のご交流も深く、お香典に代わって会費という発想転換も可能で、
お返しとして軽食や食事をご用意されて偲んでいただくもとも喜ばれます。
「お別れ会」「偲ぶ会」に求められるのは、故人の「人生表現」とその人生を慈しみ、尊ぶ心であり、けっして一輪の花を供えるだけというものではありません。
ご遺族の皆様の思いを伝える、参列いただいた方のお言葉を頂戴するなど、従来の「お別れ会」「偲ぶ会」では困難であった部分こそ、大切に考え、実現する。それが「慈曲葬・・シーン形式」のコンセプトであり、こうした思いは、音楽、言葉、映像から、メモリアルコーナー、故人がお好きだった一品を盛り込んだお料理など、さまざまなサービスのかたちとして具現化されています。
「お別れ会」「偲ぶ会」を単なる「セレモニー」として終わらせないために、また、闇雲に経費を掛けることなく、大切な「心の儀式」をご提案いたします。